(1)ポルトガルの道(Camino Portugués)の概要
ポルトガルの道(Camino Portugués)はイベリア半島西南のポルトガルの首都リスボン(Lisboa)
を起点としてスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)まで
南北に約615Kmを結ぶ巡礼路です。
ポルトガルの道(Camino Portugués)は多くのサンティアゴ巡礼路の中でフランス人の道(Camino
Frances)の道に次ぎ2番目に歩く巡礼者の多い人気の道です。
現在、多くの巡礼者はポルトガルの道(Camino Portugués)のリスボン(Lisboa)に次ぐポルトガル
第二の都市であるポルト(O Porto)を出発点としています。
ポルトガルの道(Camino Portugués)のポルトガル国内の区間(特にリスボン(Lisboa)からポルト
( O Porto)まで)にはスペインの様な公共(Municipal)のアルベルゲが無い事や一般の道路を歩く
事が多いと言えます。(宿泊に関しては別項を参照ください。)
また、郊外の一般道でも石畳の道が多いのも特徴です。
それでも途中のトマール(Tomar)のテンプル騎士団の修道院や大学都市のコインブラ(Coimbra)
やポルト(O Porto)のドン・ルイス一世(Don Luis Ⅰ)橋等の魅力的な世界遺産の都市があり、
途中のブドウ畑や美しいタイル(アズレージョ)に飾られた教会や住宅など見所もある巡礼路が人気
の理由かと思います。
トマール(Tomar)のキリスト教修道院 |
ポルト(O Porto)のドン・Ⅰ世橋 |
(2) ポルトガルの道(Camino Portugués)の歴史
ポルトガルの道(Camino Portugués)の歴史はスペイン国内の他の巡礼路に比較して比較的新しく
1143年にカスティーリャ王国の宗主下でポルトガル王国が成立し、レコンキスタが完了した後に首都
が1255年にコインブラからリスボンに遷都されました。
ポルトガルからサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼は14世紀(1326年)にポルトガル国王
ディニス1世(Denis Ⅰ)の妃であったイサベル王妃(Isaber de Aragón y Sicilia)が最初であった
と言われています。イサベル王妃(Isaber de Aragón y Sicilia)は敬虔なカトリック信者でサンティ
アゴ大聖堂に王冠を寄贈しています。死後はコインブラに葬られ17世紀に聖人に列せられました。
ポルトガルの道(Camino Portugués)はイベリア半島が古代ローマ時代の属州であったルシタニアの
時代の交流路が巡礼路として歩かれていました。
また19世紀にはフランス革命やナポレオンのスペイン侵略もありポルトガルの道(Camino Portugués)
の人気が高まりました。
ポルトガルの道(Camino Portugués)の行程は以下の通りです。
(1)Camino Portugués Central Rute
リスボン(Lisboa)からサンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)
24 Etapa 614.6Km
(2) Camino Portugués Central Rute
ポルト(O Porto)からレドンデラ(Redondela)間は海岸線を通るルートがあります。
海岸ルートについては下記のHPを参照下さい。
図 1.1 全体ルート図 (Camino Portugués Central Rute)
Walking Fun
https://www.walking4fun.com/trails/portugal-camino-central/index.html
伝説によると聖ヤコブの遺骸を乗せた石の小舟はアロウサ湾(Ria Arousa)からウジャ河(Rio Ulla)
を登ってパドロン(Padorón)へだどり着き石に小舟を括り付けたとされています。
この為、このルートをたどるVariante Espiritual Ruteをたどる巡礼路があります。
このルートはポンテベドラ(Pontevedra)からパドロン(Padorón)へ3Etapa(3日間)とされて
います。
下記にルート説明のパンフレットと関連のサイトを掲載しておきます。
Variante Espiritual Portugues (PDF)
ポルトガルの道(Camino Portugués)の宿泊施設は前項のWebサイトに紹介されています.
下記の一覧表も便利です。
Todos los Camino de Santiago : Listado de Albergues Camino Portugués
ポルトガル国内はAssociação de Peregrinos Via Lusitanaが下記で情報提供しています。
Albergues do Caminho Português a Santiago
(注)ポルトガル国内にはスペインの様な公共のアルベルゲがありませんが、地域の消防署がボラン
ティアでベット等を提供しています。
A.H.B.VはAssociação Humanitária de Bombeiros Voluntários (ポルトガル語)の
略称です。
2017年10月にリスボン(Lisboa)、トマール(Tomar)へ立ち寄りコインブラ(Coimbra)から
歩きました。(日程の関係からポルト(O Porto)の手前でバスを利用)
この為、全区間についての状況は不明ですが気が付いて事項を下記へ記載します。
(1)ポルトガル国内では石畳の区間が多い
ポルト(O Porto)までは比較的一般道を歩くことが多く郊外でも石畳の道が多くなっています。
この為、降雨があると滑り易いため注意が必要です。
(2)レジデンスがアルベルゲを併設しているところがある。
ポルトガル国内の宿泊施設には一般のホテルの他、ポサーダ(Posada)やレジデンシャル
(Residencial)等の比較的安価な宿泊施設がありますが、巡礼者の増加でアルベルゲを併設して
いるところがありました。(下記に一例を示します。)
(メアリャーダ(Mealhada):Residencial-Restaurante Hilário
アゲーダ(Agueda) : Albergue Peregrinos St Antonio de Agueda 等)
私営(Privard)のアルベルゲ(Albergue)が増えてきている様です。
(3)英語での会話が出来ます。
私はポルトガル語は全く分かりませんでしたが、田舎でも英語で十分話せます。
(4)巡礼路の標識は問題ありません。
ポルトガル国内も黄色い矢印や標識も多く問題はありませんでした。
サンティアゴ(Santiago de Compostela)からファティマ(Fatima)へ向かう巡礼者もいる
為、青い矢印とファティマ(Fatima)への距離標も多くありました。
ポルトガルの道(Camino Portugués)のガイドブックは多くの出版社から発行されています。。
現在購入可能な主なガイドブックには下記があります。
書名 :A Pilgrim's Guide to the Camino Portugués : Amazon JPで購入可能です。
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書名 :Camino Guide Portugues Maps: 前項のガイドブックの地図のみです。
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書名 :Camino Portugués :
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